少年シニア 自由形で生きる

人生の最終章を少年に戻って自由形で生きる事に決めた男が出会った風景・言葉・芸術・人

高倉健さん追悼最高のラスト「遥かなる山の呼び声」

あの頃映画 「遥かなる山の呼び声」 [DVD]

 高倉健さんの映画というと「幸せの黄色いハンカチ」が代表作として取り上げられるのですが、個人的には「遥かなる山の呼び声」の方が好みです。

 健さんの不器用さや倍賞千恵子さんとの抑制された恋心が、非常に丁寧に描かれていたと思いますし、息子のように接する吉岡秀隆との掛け合いも非常に自然な感じで心温まりました。

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 嵐で泊めてもらったことをきっかけに健さん演じる逃走犯の耕作が、倍賞千恵子が演じる民子の牧場で仕事をするようになります。ハナ肇演じる町の顔の虻田が民子を執拗に狙っていますが、民子は全くその気はなく、次第に耕作の男らしさと誠実さに惹かれるようになります。

一方虻田も、民子にちょっかいを出して喧嘩でのされたことを機に、耕作の男っぷりに脱帽し、兄貴と慕うようになります。

吉岡秀隆演じる民子の息子も耕作に懐き、幸せな日が続くように見えましたが、遂に執拗に耕作を追っていた刑事に見つかり、突然の別れがやってきました。

耕作は、多額の借金をして自殺した妻の通夜で、「自殺でなかったら保険金がおりたのに」と暴言をはいたサラ金の男を殴り殺してしまった過去を民子にうちあけ、翌日自首します。

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そして注目はラストの列車のシーン。

刑が確定し、刑事と共に網走刑務所に護送される耕作の横のボックス席に民子と虻田が乗り込んできて、わざと耕作に聞かせるように大きな声で話をしだしました。

彼女が牧場をたたみ、虻田の経済的支援を受けながら中標津で息子と共に耕作の帰りを待っていることを暗に伝えるためです。同行の刑事たちが事情を察して民子が耕作にハンカチを渡すことを認める演出は、もう憎らしいほどのうまさです。

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最後はバックの音楽も希望に満ちたものに変わり、映画は幕を閉じます。

まさに希望が、これから服役というマイナスを凌駕するラストシーン。

幸せの黄色のハンカチにつながる展開も示唆しているこの映画。

健さんの不器用なまでの誠実さがじんじん伝わる秀作です。

 

 ↓ 感動のラストシーン