少年シニア 自由形で生きる

人生の最終章を少年に戻って自由形で生きる事に決めた男が出会った風景・言葉・芸術・人

57歳で初めて読んだドストエフスキー

お元気ですか。少年シニアです。

マイブームがロシアという流れで、ロシアの文豪「ドストエフスキー」の処女作

「貧しき人々」と最後の作品「カラマーゾフの兄弟」を読みました。

貧しき人びと (新潮文庫)

貧しき人びと (新潮文庫)

 
カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)

カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)

 

 

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 ドストエフスキーは、ずっと気になる存在でしたが、どうも重苦しいイメージが

あって敬遠していました。でも多くの優れた芸術家(とりわけ私が好きなヘッセ)が

ドストエフスキーの名を取り上げ話題にしていたこともあって、ロシアに関心が起き

たこの時期を逃してはならぬ(笑)と思い読むことにしたのです。

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で感想ですが、まず思ったことは、「これは小説というより戯曲だな」ということで

した。何といっても登場する人物の大半がいわゆる過剰な人達ばかりです。

主要人物だけじゃありません。彼らの周辺にいる人々までセリフや行動が過剰なの

です。過剰な人達が交わす激烈なやりとりから、著者が伝えたかった「神について」

「罪について」「家族について」「男と女について」「祖国ロシアについて」の問答

が激しく行き交います。

この対話形式による手法は処女作の「貧しき人々」も最後の作品の「カラマーゾフ

兄弟」も変わりはありません。ただ、「カラマーゾフの兄弟」の方がよりとりあげ

られる題材が複雑で読みこむのにパワーがいりました。

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 それにしてもドストエフスキーの筆力は凄まじいですね。そして緻密に計算されつ

くしたストーリー展開。否が応でも著者の世界にぐんぐん引き込まれていきます。

人間が各々の自我に固執する中で、それでも他人と絡み合って生きていかねばならぬ

重たさが繰り返し描写され、神と人間についての持論が熱く語られます。

とりわけカラマーゾフ家の次男イワンの「自分は喜んで神を認めるし、神が世界を創

ったことも認めるが、罪なき者がいわれなく苦しむ不合理にみちた神の創ったこの世

界だけは、絶対に容認することができない」という発言は印象的でした。

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私などは基本的には、神が人間を創造したのではなく、人間が神を創造したと思って

いるのでイワンのように苦しむことはありませんが、神を信じているのに、神が決し

て万能ではないこと、もしくは万能の神があえて罪なき者がいわれなく苦しむ不合理

にみちた世界をつくっていると感じるイワンの苦悩は想像を絶するものがあります。

ドストエフスキーの苦悩をイワンに代弁させているようにも思います)

 ただ、いずれの著作も自分の力量のなさゆえ、深い部分まで読み尽くすまでには至

りませんでした。なので少し時期をおいてもう一度読むことになると思います。

ドストエフスキーの小説は、そんな読み方が自分にはあっている気がするのです。