少年シニア 自由形で生きる

人生の最終章を少年に戻って自由形で生きる事に決めた男が出会った風景・言葉・芸術・人

連ドラ私見「ハゲタカ」と「この世界の片隅に」

前回朝ドラについてふれた、当然のことながらドラマは朝ドラだけじゃない。

各局、9時から11時までのゴールデンタイムにドラマを放映して激烈な視聴率争い

をくりひろfげている。期間は3か月、だいたい10回程度の連ドラだ。

今季は、綾瀬はるか主演の「義母と娘のブルース」が、⒖%ほどの視聴率を獲得して

最も人気があるようだ。最初は少しわざとらしい綾瀬はるかのキャラと演技とありえ

ない脚本設定にとまどったが、私も次第に面白味を感じてみていた。ただ、父親が死

んだあとの展開が今ひとつ共感できず最後までみていない。

今回、最後までみた連ドラは「ハゲタカ」と「この世界の片隅に」の2本だ。

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「ハゲタカ」は以前NHKで放映したものだが、当時は外資系企業の買収や村上ファ

ンドなどの投資で「会社は誰のものか」という問題に直面していた時代の中での放

送で大いに注目をあびた。今、再び景気回復の中で、そうした買収が影をひそめて

いて、逆にシャープのように外国企業に買収され再生に成功している。

その中で、どんな新しい「ハゲタカ」になるのかを注目していた。

今回のハゲタカは「企業の主役は、そこで働く社員だ」ということを前面におしだ

したのが特徴だと言える。そこに共感を感じた。題材になった企業は保守的な体質

の大企業の経営トップが会社を私物化している例をとりあげ、それが会社の発展を

妨げている最大の原因であることを強調していた。そしてそこで働く人々のことよ

りも、会社のメンツや利益だけが優先される会社のトップをハゲタカである主人公

の鷲津が、どう排除していくかが見どころだった。

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私は、このドラマを見ていて「東芝」を思い起こした。いわゆる不正経理・改ざんを

うすうす知っていながら黙認していた東芝の歴代会長・社長たちだ。その実態は自分

の代で数字を悪くしたくないという個人的なメンツで、社員に過度な数字を強要して

いただけの会社の原点をわすれた経営陣だった。そして何よりも見苦しかったのは、

その責任を旧経営陣や新経営陣におしつけ自分は悪くないと開き直る厚顔無恥老害

の姿だった。

老人が権力を握るとろくなことはない、それを自覚している経営者は、ある時期です

っぱりと経営から身をひく。本田宗一郎氏や小倉昌男氏のように。

いずれにしても誇張された脚本や演出・演技はあったものの、今回の「ハゲタカ」は

コンセプトが明確で、ハゲタカの鷲津が旧態依然した日本企業にどう立ち向かってい

くか、毎回期待しながら見ていた。

北斗の拳ケンシロウの「お前はすでに死んでいる」の逆をいった「私はまだ生きて

いる」の決め台詞もなかなかよかった。一定の目途がついたら鷲津は次なるターゲッ

トを目指して海外に向かう。へたな恋愛話をもちださないのもすっきりとしていてよ

かった。

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この世界の片隅に」はアニメで映画化もされ好評を博したものをドラマ化したもの

主人公のすずのふんわりとしながらしんのあるキャラクターがとても魅力的で、これ

は朝ドラの「あぐり」に通じるものがある。あまちゃんで「べん」さんを演じた塩見

三省がセリフがほとんどない中、このドラマのしんである「戦争のくだらなさ・悲惨

さ」をきっちり伝えてる演技もすごいと思った。

なぜ、日本はもっとはやい段階で降伏しなかったのか。同盟を組んでいたイタリアや

ドイツが降伏する中、どうして降伏するにしてもソ連に調停してもらって停戦にもち

こもうとしたのか。この状態で有利な停戦を得れると判断した理由は何なのか。

これもメンツや自己中心のハゲタカの老害経営陣に共通するものがある。

そして幹部たちの戦略ミスのつけを回されるのは、一般の多数の普通の人々(社員)

なのだ。

戦争について とくに日本の敗戦については、つねにどうしてあんなことになった

のか、どこで何を間違えたのかをみんなで検証する必要がある。そういう意味でも

このドラマは、世代を超えて多くの人が見る価値のあるドラマだと思った。