少年シニア 自由形で生きる

人生の最終章を少年に戻って自由形で生きる事に決めた男が出会った風景・言葉・芸術・人

舘野鴻氏の昆虫展がすばらしい

 もう数年前からだろうか。小学生のジャポニカ学習帳の表紙から昆虫の写真が消えた。そのアップの写真に不快感を感じる親たちやこどもたちからのクレームがあったからだという。それで今は花の写真が中心という。

私はこの記事を読んで悲しくなった。昆虫こそこの世界で人間以上に数や種をふやし、一部の極地を除いて世界中に繁殖した成功者である。生命の種の半分近くは昆虫でありその多様性も素晴らしいものがある。私は昆虫の生命力に畏敬の念を感じたことはあっても嫌悪感を感じたことはみじんもなかった。

 

すでに昨日で終了したが、町田で舘野鴻(たてのひろし)氏の昆虫展が開催されていて最終日に私も見にいった。昨日かみさんが感動して帰ってきて私にもと薦められて見にいったのだ。昆虫や爬虫類など人間から見れば少しグロテスクな生物を苦手とするかみさんが感動したという作品とはどんなものだろうという興味もあった。

 

そして私も感動した。その詳細な描写と大自然の中にある昆虫を昆虫だけでなく昆虫が捕獲する生物や逆に昆虫を食べて生を紡いでいる生き物とあわせてかかれていた、そしていききとした生と潔い死を賛美した短いメッセージにも感動した。

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舘野氏は小田急沿線の秦野にアトリエをかまえ、その近辺の里山を中心に絵を描いているという。私も冬になるとくっきりと富士山が見える秦野から隣駅の渋沢までを歩いたことがあって、素晴らしいところだ。舘野氏は一時ミュージシャンを目指されたこともあるという多才な才能の持ち主で、絵の躍動感・リズム感も氏の経歴と無縁ではないと感じた。

出口にご本人がいらっしゃて感動したことを伝え、作品集のひとつである「ぎふちよう」を買ってサインしてもらった。

 

ぎふちょう

ぎふちょう

 

 

 ぎふちょうは絶滅危惧種で、天然記念物に指定されているが近くの相模原市に数羽いるというのだ。絶滅が危惧されている理由は、ぎふちょうが主食とする「カンアオイ」が開発や雑木林の管理放棄で激変しているからだという。生命と生命はつながっている。ひとつの植物の死は、ひとつの昆虫の死につながるのだ。

 もっともっと舘野氏自身や作品を知ってもらいたい そうすれば先にあげた学習帳の表紙から昆虫の絵が消えることはないだろう。そう思って帰宅した。

 

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舘野 鴻 アーティスト館 ArtLIFE MUSEUM the NET